Our MISSION
お客様に『ありがとう』と喜んでいただこう
20年ほど前の話です。当時、会社は『顧客満足』すなわちどのようにすればお客様の満足度を上げられるか、ということに取り組んでいました。
そんなある日、社員の一人が私にこう問いかけてきました。「顧客満足って何ですか?お客様に満足してもらうことだけを考えるならば、価格を安くすればイイじゃないですか?
でも、それをやったら会社の利益は少なくなっちゃうからダメなんですよね。だとすると結局、顧客満足って建前でしかないですよね」
当時の私にはこの問いかけに答えられる言葉もポリシーもありませんでした。商売をやっているなら、『お客様を大事にする、それは当り前」という感覚的なものはあっても、お客様を大事にするということと収益を確保することの両立などあまり考えていなかったのです。それ以降、顧客満足とは何なのか、企業の収益とは何なのかということを考え続けました。なかなか、答えが見つからない中で、ある日コマツリフト販売店のサービス担当者向けのアンケート結果が目に留まりました。
販売店サービスマン アンケート(1999年2月11日実施対象者127名)
- Q:日常の仕事を通じて、どんな時に喜びを感じますか?
- 1位 お客様に喜んでいただいた時...29
- 2位 売上・ノルマを達成した時...22
- 3位 ユーザーにお礼を言われた時...20
- 4位 故障が直った時...17
- 5位 難しい修理ができた時...16
- 6位 年次検査でも修理でも仕事をやり遂げた時...14
- 7位 大きな仕事を一人でやり遂げた時...12
- 8位 お客様から信頼を得られた時...11
『そうか、仕事で一番嬉しいのは目標達成よりも、お客様に喜んでもらえた時なんだな。まてよ、お客様が喜んでいるなら、売上だってちゃんと上がるよな...これならお客様も我々もハッピーじゃないか!』膝を打つ思いでした。
商売の原点はお客様だけが満足でも上手くいかず、売り手のこちら側だけが満足でも上手くいきません。顧客満足という言葉を額面通り受け取って、お客様の利益だけを考えるから上手くいかないのです。お客様も喜び、自分たちも喜べる関係をつくることが必要だとようやく分かりました。
これは営業もサービスも関係なく、会社というものを運営していく上での原点だと思います。このことを図に表わすと下のようになります。
我々はお客様に対して一生懸命良い仕事をします。そこでお客様が喜んでくれれば『ありがとう』という言葉をいただけます。お客様は喜んでいるわけですから、その仕事に対する対価を支払ってくれます。この対価は私たちの給料になったり、会社の設備投資につながっていきます。さらに『ありがとう』と対価をもらった私たちはもっと良い仕事をしようという気持ちになります。もっと良い仕事をすれば、お客様からの信頼はさらに深まり、末長いお付き合いができるようになります。これは私たちが将来にわたって安心した生活ができるという証にもなります。これは商売の実に単純な仕組みです。単純な仕組みでありながら、実践していくのは簡単ではありません。現実に、これができないために消えていく企業は本当にたくさんあります。当社はこのことをしっかり守っていきたい。
だからOurMissionには
お客様に『ありがとう』と喜んでいただこう
という項目が織り込まれました。